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余命宣告されたらすること|整理するべきものや家族にかける言葉

余命宣告されたらすること 終活

いつかは誰もが迎える死の瞬間。

頭では分かっていても、自分はまだまだ先だと思ってしまうもの。

しかし、それでは明日もし余命1年と宣告をされたら、何をするべきか分からずに、ただ時間が流れてしまうかもしれません。

余命宣告をされたらすることを事前に知っておけば、最期まで自分らしい充実した生き方ができるようになります。

また、死と向き合うのは本人だけではなく、家族や友人など周囲の人も同じ。家族が余命宣告をされたらすることを考えておくのは、大切な人との残された時間を少しでも納得して穏やかに過ごすために必要です。

自分が、家族が、友人が余命宣告をされたら。何を行うべきなのか解説します。

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余命宣告されたらすること1. 各所に連絡する

余命宣告とは、医師が過去のデータや自分自身の経験などに基づき、患者や家族に「残りの命はこのくらいです」と告げるものです。

あくまでも目安や予測に過ぎず、告げられた時期に必ず亡くなるわけではありません。

とはいえ、先が長くはないことに変わりはないため、余命宣告をされたらまずは大切な人たちや必要箇所に連絡をする必要があります。

家族や親族・友人

日本ではこれまで、余命宣告は患者本人に告知されず、家族に告げられることが一般的でした。そのため、病名や余命を本人知らないまま亡くなるケースが多かったのです。

しかし、近年は死生観の変化などに伴い、患者本人に余命宣告をするケースが増えてきました。

医師から余命宣告をされたとき、家族は本人に「余命わずか」と、本人は家族へ「余命宣告されました」と伝えるべきか悩んでしまうかもしれません。しかし、大切な人と過ごせる時間が残り少ないのはどちらも同じです。

遠方に住む親や子、孫、親族、友人などが会いに来てくれるのは、患者本人にとって心の支えになりますし、支える家族や親族、友人にとっても「今の時間が永遠ではない」と1分1秒を噛みしめながら過ごせます。

余命宣告されていることを知っているのと知らないとのでは過ごし方がかなり変わるため、タイミングや伝え方に個人差があっても、大切な人には必ず伝えるのが良いでしょう。

保険会社

余命宣告を受けた本人が加入している生命保険があれば、保険会社に連絡をして内容を確認してください。

「リビングニーズ特約」が付帯されている場合、余命6ヶ月以内と宣告されると、死亡保険金の一部または全額を生前に受け取ることができます。

受け取った保険金は治療費に充てたり、新しい治療を試すなどに使えるほか、やりたいことや行きたい場所など患者の希望を叶えるときにも使えます。

菩提寺

菩提寺がある場合は、余命宣告をされた旨や本人の状況などを伝えておきましょう。

事前に連絡をしておくと、お葬式までスムーズに話が進みやすくなります。

また、住職や僧侶に心のうちを話して、不安や心配を解消するのも良いでしょう。

余命宣告されたらすること2. 気持ちと向き合う

余命宣告を受けてショックを受けない人はいません。

「頭の中が真っ白になって、先生の話が耳に入ってこなかった」「どうやって病院から自宅まで帰った覚えていない」など非常に動揺は大きく、家族や友人の心遣いすら煩わしいと感じてしまうかもしれません。時には苛立ち、孤独を感じてしまうでしょう。

しかし、こうした心の不安定さは誰にでも起こること。そう思ってしまう自分を責めないことが大切です。その上で、落ち着いて対処できるように以下を試してみましょう。

深呼吸する

体温や血圧など、生命維持に不可欠な働きを無意識に行うのが自律神経です。こうした臓器の働きは、自分の意思でコントロールをすることができません。しかし、臓器の中で唯一意識をして動かすことができるのが肺。つまりは呼吸になります。

ストレスでイライラしたり緊張しているときは、自律神経の交感神経が優位に働き、呼吸は短く荒くなります。一方で、リラックスをしているときは副交感神経が優位になり、呼吸は深くゆっくりに。

呼吸を意識して深く行うと副交感神経が優位になり、リラックスできるのです。

ただし、ただ深呼吸をすれば良い訳ではありません。息を吸うときは交感神経が優位になり、息を吐くと副交感神経が優位になるため、息を吸うのは4秒、吐くのは8秒のように吐く時間を長くするのがポイントです。

厚生労働省でも、心と体を整えるセルフケアの方法として深呼吸を推奨しています。

自分の気持ちを客観的に眺めてみる

余命宣告を受けて悲しくなったり、落ち込んでしまうのは当たり前のこと。

我慢をしてストレスを溜め込むよりも、「悲しい」「辛い」と感情を素直に表すのはとても大事です。

しかし、ネガティブな気持ちに溺れすぎてしまうと、そこから脱出できなくなり、負のループへと引きずり込まれてしまいます。

落ち込んでいることが悪いのではなく、落ち込んでいる自分を認め、それをちょっと違う角度から見てみる。または、自分の気持ちを、もう1人の自分が聞いているような感覚で話してみると、感情を吐き出すと同時に客観的に自分の感情を見つめられます。

ネガティブな感情の狭間にこうした冷静になれる時間を作ることで、少しずつ気持ちが浮上するきっかけを得られるでしょう。

感情を紙に書く

心の中のモヤモヤした気持ちを誰かに聞いてもらい、スッキリとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。とは言え、毎回不安や愚痴を言うのも相手に悪いですし、迷惑になるのでは?と躊躇してしまうものでしょう。

そのような場合には、口に出さずに文字で吐き出す方法がおすすめです。感情を紙に書く対処法はエクスプレッシブ・ライティング(筆記開示法)と呼ばれ、手軽にできるストレス解消法として知られています。

エクスプレッシブ・ライティングのメリットはストレス解消になるだけではなく、自分の気持ちを文字で客観的に知ることができるという点。自分が何を不安に思っているのか整理でき、不安を解消する方法を見つけやすくなります。

思ったことを紙に書くだけでも良いですが、エクスプレッシブ・ライティングでは1日20~30分、最低でも4~5日続けて書くことで、より効果が得られやすいとしています。

会話する

余命宣告を受けた人の気持ちは、余命宣告を受けた人しか分かりません。周囲がいくら温かい言葉や態度で接してくれても100%の理解は難しく、孤立感を高めることもあるでしょう。

また、周囲との接触によるストレスを避けるために、意図的に孤立することがあるかもしれません。一見するとストレス回避につながるように思えますが、実は孤立は強いストレスからの回復を遅らせると分かっています。

そのため、こうしたストレスに対処するには孤立せず、人と会話を続けることが大切です。このとき、ショックを受けた出来事のみについて話すのではなく、それについて自分がどう感じたのかを伝えてみましょう。

会話をすることで、相手のリアクションも含めた自分の感情を受け入れられるようになり、少しずつ前を向けるようになります。

信頼できる人に頼る・相談する

家族や友人などに辛い気持ちを打ち明けましょう。

泣いてしまっても構いません。気持ちが上手く伝えられなくても大丈夫です。

話しても解決しないと思わず、信頼して頼ることから始めてみましょう。そっと背中をさすってくれた、ぎゅっと手を握ってくれた、そんな相手の行動の一つに心が解され、癒されることもあります。

カウンセリングを受ける

家族や友人に打ち明けられないときは、医師や看護師に相談しましょう。

近年はガンに関連した心のケアを行う精神腫瘍医や、患者や家族の精神的なケアを行うリエゾンナースなど、心理面に特化した医療従事者が増えています。

また、選択肢の一つとして、以下の専門家にカウンセリングを受けるのも良いでしょう。

  • 心療内科医
  • 精神科医
  • 臨床心理士
  • 心理療法士

専門家以外に話を聞いてもらいたい場合は、こころの健康相談統一ダイヤルよりそいホットラインなどもあります。

やりたいことリストを作ってみる

やりたいことリストの実現は、残された人生を後悔なく生きるためにとても有効です。コーネル大学の研究によると、人は死ぬときに「なりたい自分になれなかった(理想自己)」ことに最も後悔するそうです。

つまり自分がやりたいことや挑戦したいことができていれば、人は人生に満足感を得やすいということ。

まずは思いつく限り、やりたいことを書き出してみましょう。

このとき、「できないかもしれない」と考える必要はありません。思いつくまま書いたあとに、実際に実行するかどうかを決めれば良いです。

やりたいことリストを作ることで、自分がどう生きたいか、自分は何を求めているのかが明確になります。

余命宣告されたらすること3. 財産を整理する

余命宣告を受けたということは、近い将来、家族に相続問題が発生する可能性があります。

遺産のトラブルは元々仲が悪い家族だから起こると思ってしまいますが、仲が良かった家族がお金を巡って仲違いしてしまうケースは、実は少なくありません。

また、相続財産が多くはないケースのほうが、トラブルに発展しやすいとも言われています。

相続トラブルを他人事と思わず、財産をどうするか本人がしっかりと決めておく必要があります。

加入保険を確認する

生命保険の種類 内容 保険金の請求の時期
医療保険 病気やケガなどによる入院・手術時に受け取れる保険金 入院や手術を受けた後
死亡保険 被保険者が死亡した場合に受け取れる保険金 死亡後
介護保険 要介護状態になると給付金が受け取れる 要介護状態になったら
生存保険 被保険者が満期時に生存していると給付金や保険金が受け取れる 満期時

一般的に生命保険というと死亡保険を思い浮かべますが、医療費や介護費の負担を軽減する医療保険や介護保険に加入している人は少なくありません。

医療保険は、契約の内容によって保障の対象となる病気や期間が変わるので、契約内容をしっかりと確認してみましょう。

また、介護保険の場合、要介護状態にならずに死亡すると、一般的に死亡保険金が支払われます。生存保険では満期前に死亡すると、払込保険相当額が戻ってきます。

保険は請求をしないともらうことができないため、請求漏れがないよう、契約内容は本人を始め家族とも共有しておくべきでしょう。

預貯金を確認する

銀行の預貯金は、遺産相続の主たる部分になります。

相続人が複数いる場合は、後々トラブルにならないよう本人が預貯金の分割割合などを決めておく必要があります。

なお、銀行の口座を所持している場合、名義人が死亡するとすぐに口座が凍結されてお金を引き出せなくなってしまう、と聞いたことはないでしょうか。役所に死亡届が提出されてもその情報が銀行にいくことはありませんが、何らかの形で口座名義人の死亡が確認されれば口座は凍結されます。

そのため、葬儀費用をあらかじめ引き出しておき、自分で用意しておくと安心かもしれません。

しかし、本人が自分の口座から引き出していても、死後に税務局の調査が入るケースはあります。その場合は、レシートや領収書などを提出する義務が発生するので注意してください。

負債を確認する

プラスの財産 マイナスの財産
不動産 借金
銀行の預貯金 未払金(医療費なども含む)
有価証券 家や車のローン
現金 税金の滞納
自動車、貴金属、宝石 振出小切手
ゴルフ会員権など 損害賠償責務など

相続財産には、預貯金や有価証券、不動産などのプラス財産だけではなく、負債や借金などのマイナス財産も含まれます。

負債がある場合は家族や親族に早めに打ち明け、対策を講じる必要があるでしょう。

本人が亡くなった後、こうしたマイナスの財産は相続放棄をすることができます。ただし、国税庁では相続開始3年以内(口座の名義人が亡くなる3年以内)の贈与は相続財産としている点に注意してください。

例えば葬儀代を事前に本人名義の口座から家族が引き出した場合、以下の理由で相続放棄ができなくなる可能性があります。

  • 故人の口座からお金を引き出しているので、相続人は財産を相続する意思がある
  • 相続放棄の前に財産隠しを行った

相続放棄ができなくなると、負債を相続人が背負わなくてはいけません。

財産目録を作成する

財産目録とは、プラスの財産とマイナスの財産を区分や種類ごとに一覧にし、財産の状況を分かりやすくまとめたものになります。

財産目録は決まった書式がある訳ではないので、本人が作成しやすい方法をとって構いません。エクセルシートやワードなどを利用しても良いですし、最近はエンディングノートや終活ノートに目録を記入するページが設けられているので、そちらを利用しても良いでしょう。

複数の相続人がいる場合では、財産目録がないと遺産分配が大変になります。財産目録があると、判断がついて遺産分割が進めやすくなり、家族の負担を軽減できます。

相続人や遺産配分を決める

相続人の範囲は、民法によって以下のように定められています。

なお、配偶者は常に法定相続人となりますが、内縁の妻(夫)や事実婚の場合は法定相続人にはなれません。

相続順位 故人との関係
第1順位 直系卑属(子、孫、ひ孫など)
第2順位 直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母など)
第3順位 兄弟姉妹、または甥、姪

同様に相続割合も決まっていますが、こちらはケースによって変わります。

相続する人 割合
配偶者と子どもの場合 配偶者は2分の1
子どもは2分の1
配偶者と父母の場合 配偶者は3分の2
父母は3分の1
配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者は4分の3
兄弟姉妹は4分の1
子どものみの場合 子どもの人数で等分する

子どもや父母、兄弟姉妹が複数であれば、さらに均等に分割。例えば配偶者と子ども2人がいる場合は、2分の1÷2=4分の1ずつとなります。

遺言書を作成する

相続人の範囲や相続割合を、被相続人が決めることもできます。

遺言書に「誰にどのくらい相続する」と明記しておきましょう。遺言書には以下の2つがあります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

自筆証書遺言は自宅で気軽に作成でき、費用がかからないメリットがありますが、要件を満たす記述がされていないと無効になる可能性があるので注意してください。

遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を自書して、これに印を押さなければならない

民法968条第1項

これに対し、公正証書遺言は遺言者が公証人が遺言書を作成するもので、公証役場で保管されます。遺言書が隠蔽、改ざんされる心配がなくなり、家庭裁判所の検認手続きをとることなく、速やかに遺言内容を遂行できます。

余命宣告されたらすること4. 整理の準備を進める

解約に個人情報やパスワードが必要なものや、家族や友人など気心の知れた相手であっても知られなくないものなどは、時間のあるときに整理しておきましょう。

サブスクなどの契約サービス

動画見放題やスマホのアプリなど有料で加入しているサービスは、解約を行わない限りずっと料金を支払うことになります。

使用していないサービスがあれば、解約をしておきましょう。

ただし、継続使用したいサービスがあれば、無理に解約する必要はありません。加入している有料サービスと解約に必要な情報をメモに残しておけば、最後に家族が手続きを行ってくれます。

なお、インターネット回線の契約とサブスクリプションの契約は別です。インターネット回線を解約してインターネットが使えなくなっても、サブスクリプションの解約をしていないと料金は発生し続けるので注意してください。

デジタルデータ

デジタルデータは、物理的に手にすることができません。そのため、銀行の通帳や有価証券のように「これは大事だから整理しなければ」と意識を向けるのが難しい側面があります。

パソコンやスマホに保存してある写真や動画、文章のほかに、インターネット検索履歴もデジタルデータとして残ってしまいます。

たとえ家族であっても見られたくないことは、誰でも一つや二つあるでしょう。忘れずにデータの消去や整理をしておきましょう。

また、家族や友人などに内緒でデジタルデータの消去を行ってくれるサービスを利用する方法もあります。

写真

写真やビデオテープなどは、後から家族が整理しようと思っても、なかなか捨てる勇気が持てないものです。本人が残しておいてほしい写真やビデオテープをあらかじめ整理しておけば、家族の負担を減らせるでしょう。

また、残す写真やビデオテープを選びながら思い出に浸ったり、過去を懐かしむのも有意義な時間の使い方となるものです。残しておきたい写真やビデオテープが大量にある場合は、パソコンに取り込んでデジタルデータとして保存しておくと良いでしょう。

SNSアカウント

使っていないSNSがあれば、削除またはサービスの停止を行いましょう。利用を継続したい場合は、アカウントIDやパスワードをメモしておき、後に家族に削除してもらうようにお願いしておきます。

SNSアカウントをそのままにしておくと、第三者の乗っ取りに遭う可能性があります。被害者になるだけではなく、乗っ取られたアカウントが誹謗中傷や詐欺行為を行えば、加害者として訴えられてしまうかもしれません。

服や本などの持ち物

手元に残すのは必要最低限にし、それ以外は以下の方法を検討しましょう。

  • 家族や友人などに譲る
  • リサイクルショップに売る
  • 寄付する

「生前整理=捨てる」と思ってしまいがちですが、欲しい人に譲って長く使ってもらえたら嬉しいですし、それでも貰い手がいなければ最終的に処分すると良いでしょう。

コレクション

実用品と異なり、コレクションは人によって価値が変わるものです。大切に集めていたものが、死後にあっさりと捨てられてしまったらと考えると、悲しくなってしまうのではないでしょうか。

そのため、コレクションしていたものを処分するときは、次の方法を検討してみましょう。

  • 価値が分かる人に譲る
  • 専用の買取業者に売る
  • フリマやネットオークションで売る

漫画専門の古書店である「まんだらけ」では、生前にコレクションの鑑定や見積もりを行ってくれるサービスを行っています。依頼者が亡くなった後は、生前見積もり書を元にコレクションを買い取ってもらえます。家族に負担がなくコレクションを処分できるので、コレクターの方は検討してみると良いでしょう。

葬儀の準備

日本では、長らく「生きているうちに死んだ後の話をするのは不謹慎」とされてきました。

しかし、現在は終活が定着し、「生きている今だからこそ、死んだ後の話をしっかりとしておくべき」との考え方に変化しています。

本人が葬儀の準備をしておくのもその一つ。

時間に余裕がある段階で複数の葬儀社から見積もりを取り、家族葬にしてほしいなど、自分の希望に合った葬儀が行えるところを決めておくと、後々に家族が困らずに済みます。

葬儀の資料請求は、インターネットや電話で簡単かつ全国どこでも無料で行えます。

余命宣告された家族にできること

余命宣告を受けてショックなのは、本人だけではありません。

本人は自分の身体の変化や症状などから何となく察しがついていたとしても、何も知らなかった家族は突然過ぎて、本人以上に動揺してしまうこともあるでしょう。

家族は、どのようにして余命宣告を受けた本人を支えていくべきなのでしょうか。

まずは自分の感情を受け止める

本人が激しく動揺して泣き叫んだリ、反対に唖然として感情を無くしてしまうと、近くにいる家族は「自分がしっかりしなくては」と思ってしまいます。

しかし、辛いのは家族も同じです。

「本人のほうが辛いのだから」と気持ちを押し込めたりせず、まずは自分の感情を受け入れましょう。

「悲しい」と思う自分を認め、「悲しいと思うのは間違いではない」と感情を肯定してあげると、感情の居場所が確保でき、比較的早くに落ち着けるようになります。

病気について理解する

家族が余命宣告を受けた病気の知識が乏しいと、「これからどうすればいいのか」と不安や心配は大きくなります。病気について家族が知識を得ることは、何より本人の心の支えになるでしょう。

また、病状を見て進行具合がある程度把握できれば、少しずつ心の準備を行えます。

治療法について家族で話し合う

余命宣告される病気として、すぐに思い浮かぶのが「がん」ではないでしょうか。

日本人の死因第1位は悪性新生物(がん)は、以前までは不治の病と言われていましたが、治療方法は日々進化し、現在は完治や共存が可能となっています。

また、がんと診断され余命宣告を受けても、何も治療ができない訳ではありません。

治療の方法 治療の内容
完治を目指す これまで行われきた手術や抗がん剤治療、放射線治療のほか、近年は免疫細胞を利用して治療を行う免疫療法などがあります。
延命治療を希望する 寿命を延ばすために行う治療で、完治を目指すものではありません。子どもの結婚式に出席したいなど患者本人や家族の要望によって行われます。また、今後もっと良い治療法が出てくるかもしれないので、できるだけ延命したいと思う人もいるでしょう。
緩和ケアを行う ガンの進行に伴う心身の痛みや辛さを取り除くことを主に行われます。

医師からの病状の説明を受けた上で、本人と家族がこれからどうするのか、どうしたいのかをしっかりと話し合いましょう。

そばに寄り添う

余命宣告された人の気持ちを、100%理解してあげることはできません。

しかし、それは家族としている意味がない訳ではありません。

  • そばにいて話しを聞いてあげる
  • 見守ってあげる
  • 背中を擦ってあげる
  • 抱きしめてあげる

無理に励ましたり、必要以上に心配するのではなく、「いつでも近くにいるから頼ってね」と伝えることが大切です。

なお、余命宣告を受けた人にどんな言葉をかけたら良いか?との質問に対し、奥様を看取った方の声が寄せられていました。こういうケースもあると、参考にしてみてください。

その間私は一日も欠かさず病院に会いにいきました、その後他界しましたが、だからどうだというんじゃありません、ただ寄り添うしかないこともあると思います

引用:知恵袋

サポートする

本人にやりたいことがあれば、それを叶えてあげましょう。

もし自分が余命1年と言われたら、余命一週間と言われたら何がしたいか考えて、提案してみるのも良いかもしれません。

余命宣告された家族や友人にかける言葉

余命宣告をされた家族にかける言葉が見つからない、友人にどのような言葉をかけるべきか悩んでしまう人は多いでしょう。

この章では、余命宣告された家族や友人にかけて良かった言葉をご紹介しています。

ただし、あくまでも一例であり、本人の性格や状況などによって適切な言葉は変わる点をご了承ください。

不安へ共感する

  • なんでも言ってね。八つ当たりしても泣き言でもなんでもいいよ。
  • できることだけ考えよう。今はゆっくり休むことができることだよ。
  • 一人じゃないよ。

日常の不安を解決する具体策を伝える

  • 子どもの面倒は任せてね。
  • 愛犬の散歩は毎日してるから安心して。今度、動画撮ってくるね。
  • お金の心配はしなくていいよ。
  • またすぐ来るから。

無関係な雑談でリラックスする

  • 今日、仕事でちょっとミスしちゃって・・(仕事や学校の話をする)
  • お笑い芸人の〇〇面白いよね!(テレビ番組の話題を出す)

余命宣告された家族や友人に言ってはいけない言葉

本人を思っての言葉であっても、傷つけてしまえば元も子もありません。

とはいえ、優しさや励ましのつもりで言っていると、それがダメとは気づきにくいものでしょう。

ここでは、余命宣告された家族や友人に言ってはいけない言葉をご紹介します。

あくまで一例であり、本人の性格や状況によって適切な言葉は変わる点をご了承ください。

未来をあきらめる言葉

  • 余生は好きなことをして過ごすといいよ。
  • 人間は必ずいつか死ぬからね。

突き放す言葉

  • もう助からないんだって?
  • 死ぬのは運命だったんだよ。

同情する言葉

  • かわいそう。
  • 不憫だね。

本人を責める言葉

  • 食生活が原因なんじゃないの?
  • ガンはなる人とならない人に違いがあるんだよ。

余命宣告されたら無理せずできることから始める

余命宣告をされたら、まずは気持ちを受け止め、整理することから始めてみましょう。

急いで何かをしなければと思う必要はありません。

気持ちが落ち着いてくると、おのずとやるべきことが見えてくるはずです。

また、元気なうちに余命宣告を受けたらすることを家族で話し合っておくと、いざというときに慌てず対処できるでしょう。