お葬式後に必要な手続きは多岐に渡ります。
中には期限が短いものもあるため、葬儀後にやることをリスト化するのをおすすめします。
大切な人を失った深い悲しみの中で、理路整然と手続きについて考えるのは簡単ではありません。
いざというときに慌てず、速やかに手続きが行えるように、今から葬儀後の手続き一覧表を準備をしておきましょう。
死亡後にやることリスト一覧表
病院や自宅で大切な人を看取った日から、家族が行うべき死亡後の手続きがあります。
まずは医師から死亡の事実を証明する「死亡診断書(または死亡検案書)」を受け取った後の手続きについて解説します。
死亡後の日数 | 手続き |
---|---|
当日 | 葬儀社との打ち合わせ |
2日め | 死亡届の提出、火葬許可書の取得、通夜 |
3日め | 葬儀、火葬 |
葬儀社との打ち合わせ
自宅や斎場までご遺体を移動するには、一般的に葬儀社の寝台車を使います。家族が自家用車で運んでも法律上の問題はありませんが、安全面など考慮して葬儀社に依頼するのが良いでしょう。
葬儀を依頼する葬儀社が決まっていない場合は、病院から紹介を受けた葬儀社に搬送のみを依頼できるか確認してください。搬送を請け負ってくれた葬儀社にそのまま葬儀もお願いしたくなりますが、複数の葬儀社の見積もりを取って、費用や内容などを十分に検討した上で選ぶのをおすすめします。
葬儀社が決まると、主に以下の内容の打ち合わせを行います。
- 喪主や施主
- 葬儀日時
- 葬儀場所
- 葬儀の形式
- プラン内容
- 参列者の人数
- 予算など
死亡届の提出
死亡届は、医師から発行される死亡診断書(死亡検案書)と同じ用紙になります。
用紙の左側が死亡届となっているので、届出人が記入してください。
死亡届の届出人 | 死亡届の提出先 |
---|---|
|
|
死亡届には提出期限があり、死亡してから7日以内です。
なお、死亡届の提出は届出人である必要はなく、葬儀社の担当者が代行するのが一般的です。
火葬許可証・埋葬許可証の発行
日本では、ご遺体は99.9%が火葬されています。
法律により、火葬は死亡から24時間以内は禁止されていますが、24時間以降であれば火葬許可証を取得していれば許可されます。
火葬許可証は役所に死亡届を提出すると受け取りが可能になりますが、役所によって用紙の形態や記入内容が異なるので注意しましょう。
死亡届と同様に葬儀社の担当者に代行してもらえます。
葬儀後にやることリスト一覧表
故人の最期から葬儀までは慌ただしく過ぎ去り、初七日法要を終えてようやくほっと一息吐けると思うかもしれません。
しかし、事務的な手続きはむしろ、葬儀後から本格的になります。
葬儀後の手続きを一覧表にしたので、詳細と併せてご紹介しましょう。
死亡後の日数 | 手続き |
---|---|
10・14日以内にやること |
|
14日以内にやること |
|
1ヶ月以内にやること |
|
4ヶ月以内にやること |
|
2年以内にやること |
|
3年以内にやること |
|
5年以内にやること |
|
明確な期限はないもののできるだけ早く |
|
年金の受給権者死亡届(報告書)|10・14日以内
故人が年金を受給していた場合は、年金の受給権者死亡届を提出する必要があります。
年金の種類 | 期限 |
---|---|
国民年金 | 死亡日から14日以内 |
厚生年金 | 死亡日から10日以内 |
提出期限を過ぎてしまっても罰則はありません。ただし、手続きが遅くなり、年金が支給されてしまうと返還義務が生じます。
なお、日本年金機構にマイナンバー(個人番号)が登録されている場合は、受給権者死亡届の提出の必要はありませんが、未支給の年金(故人が亡くなるまで受け取る予定だったものの支給されていない年金のこと)があれば未支給年金の請求を行う必要があります。
手続きに必要な書類は以下のとおり。
- 年金証書
- 死亡の事実を明らかにできるもの(住民票除票、戸籍抄本、死亡診断書または死体検案書等のコピー、死亡届の記載事項証明書)
介護保険資格喪失届|14日以内
故人が要介護状態で認定を受けていた場合は、介護保険資格喪失届を提出します。条件は以下のとおりになります。
- 45歳以上65歳未満で特定疾患により要介護認定を受けていた人
- 65歳以上で要介護認定を受けていた人
また、届出に必要な書類は以下のとおり。
- 介護保険資格喪失届
- 介護保険被保険者証
ただし、市区町村によっては介護保険資格喪失届の提出が必要ないところや、死亡届のみで手続きが完了する場合などがあるため、事前に確認しておきましょう。
世帯主変更|14日以内
世帯主変更(住民異動届)の届出が必要なケースは、残された世帯員で世帯主となる人が明確ではない場合です。
例えば夫婦と15歳以上の子どもが1人いる世帯では、世帯主の夫が死亡すると妻もしくは子どもの両方が世帯主になれるため、どちらが世帯主になるのかを明らかにする必要があります。
なお、15歳未満の子どもは世帯主になれません。
また、次のケースでは世帯主変更の届出が不要となります。
- 世帯主が死亡し、他に世帯員がいない場合(1人暮らし)
- 世帯主が死亡し、世帯に残った人が1人の場合(新たな世帯主となるのが自動的に確定しているため)
- 世帯主以外の人が死亡した場合
- 世帯主が死亡し、世帯に残った人が親と15歳未満の子どもの場合(自動的に配偶者が世帯主になるため)
世帯主変更に必要な書類は、以下のとおり。
- 世帯主変更届(住民異動届)
- 届出人の本人確認(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
- 届出人の印鑑(必要がない自治体もあります)
世帯主の死亡から14日以内に世帯主変更ができないと、住民異動届だけではなく届出期間経過通知書の提出が必要になります。届出期間経過通知書には期限まで届出ができなかった理由を記入しますが、内容によっては5万円以下の過料が生じることがあるので注意してください。
健康保険証|14日以内
死亡した日の翌日に健康保険の資格を失うため、資格喪失届を提出する必要があります。
健康保険の内容 | 加入者 |
---|---|
国民健康保険 | 自営業者、フリーランス |
被用者保険(健康保険組合、共済組合など) | 会社員、公務員 |
後期高齢者医療制度 | 75歳以上 |
加入先によって、手続きに必要な種類や内容が異なるので注意してください。
また、亡くなった人の扶養に入っていた場合、新たに自分自身で加入する必要があり、健康保険資格取得届の提出を行います。
雇用保険受給資格者証の返還|1ヶ月以内
故人が雇用保険を受給していた場合は、雇用保険受給資格者証をハローワークに返還します。
雇用保険受給資格者証の返還に必要な書類は以下のとおり。
- 雇用保険受給資格者証
- 死亡診断書または死体検案書
- 住民票
相続放棄の手続き|相続開始後3ヶ月以内
相続放棄は、一般的に被相続人のマイナス財産(負債や借金、ローンなど)がプラス財産(預貯金や有価証券など)を上回る場合に行われます。
相続放棄に必要な書類は、被相続人と申述人(相続放棄をしたい人)との関係性によって変わります。
必要な書類 | 配偶者 | 第1順位 (被相続人の子または孫) |
第2順位 (被相続人の父母または祖父母) |
第3順位 (被相続人の兄弟姉妹または甥姪) |
---|---|---|---|---|
相続放棄申述書 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
申述人の戸籍謄本 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
被相続人の住民票除票または戸籍附表 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
収入印紙(800円) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
切手(84円×2※申請が3ヵ月を過ぎた場合は84円×3、10円×1) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
被相続人の戸籍謄本 | 〇 | 〇 | ||
被相続人の子の死亡が分かる戸籍謄本 | 〇 (孫のみ必要) |
|||
被相続人の出生から死亡までが分かる戸籍謄本 | 〇 | 〇 | ||
第2順位の相続人の死亡が分かる戸籍謄本 | 〇 | 〇 | ||
被相続人の父母の死亡が分かる戸籍謄本 | 〇 (祖父母のみ必要) |
〇 | ||
被相続人の兄弟姉妹の死亡が分かる戸籍謄本 | 〇 (甥姪のみ必要) |
|||
3ヵ月を過ぎての申述で、債権者からの催告書や通知(届いた場合) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
参照:裁判所
相続税の手続き・納付|相続開始後10ヶ月以内
相続人が複数いる場合は、遺産分配協議が相続人の間で整っているのが前提となります。
遺言書があれば、不動産などの遺産の分配は故人の希望に沿って行われますが、遺言書がなければ法律に基づいて遺産分配協議が行なわれます。
遺産分割協議書の作成には、故人の財産の把握に必要な財産目録(故人の遺産を区分や種類ごとに一覧にして分かりやすくまとめたもの)を作成する必要があり、財産目録の作成には通常1~2ヵ月程度かかるので、早めに取りかかるようにしましょう。
国税庁のサイトを参考にした、相続税の手続きに必要な書類は以下のとおり。
- 相続人全員のマイナンバー
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍の附票
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
- 被相続人の戸籍の附票
- 被相続人の住民票除票
相続税の納付は金銭にて一括納付するのが原則です。
相続税の納付方法は、主に次の4つ。
- 税務署の窓口
- コンビニ
- 金融機関
- クレジットカード(インターネットの国税クレジットお支払いサイトを利用)
なお、故人が生前にかかった医療費は高額医療費の払い戻しの手続きを行えますが、相続人が受け取った還付金は相続財産に含まれます。
準確定申告・納税|4ヶ月以内
準確定申告とは、故人が確定申告(一年間の所得を税務署に申告し、所得税などの税金の納税手続きを行うもの)を行う必要があった場合に、相続人が代わりに確定申告を行うものです。
相続人が複数いるときは代表者がまとめて申告を行いますが、相続で争っているなどのケースでは相続人それぞれが申告可能です。
準確定申告の必要書類は、以下のとおり。
- 確定申告書
- 給与または年金の源泉徴収票
- 生命保険や損害保険の控除証明書
- 医療控除用の領収書など
準確定申告は期限が4ヶ月以内と短く、必要書類も多いため、故人が納税者の場合は早めに準備を始めましょう。
申告期限を過ぎると延滞税のペナルティもあるため、注意してください。
確定申告書は郵送を依頼する他、国税庁のホームページにてpdfファイルをダウンロードできます。また、フォーマットにいきなり直接入力すると入力ミスが起こりやすいため、まずはエクセルなどに入力したものを転記するのをおすすめします。
葬祭費・埋葬費の支給手続き|2年以内
支給対象 | 給付金の種類 | 給付金額 |
---|---|---|
国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入 | 葬祭費 | 3~7万円 (自治体によって異なる) |
組合健保や協会けんぽなどの社会保険に加入 | 埋葬料 埋葬費 |
埋葬料は一律5万円 (独自の付加給付を設けているところもあり) 埋葬費は上限5万円 |
葬祭費の支給手続きの必要な書類は、以下のとおり。
- 葬祭費請求の申請書
- 故人の国民健康保険証
- 葬儀社の領収書
- 印鑑
- 葬祭費受取人の振込口座番号
埋葬料・埋葬費の支給に必要な書類は、以下のとおり。
- 埋葬料請求書
- 埋葬許可証や火葬許可証のコピー
- 死亡診断書(死体検案書)のコピー
- 故人の戸籍(除籍)謄本・抄本または住民票など
- 健康保険証
- 埋葬料・埋葬費受取人の振込口座番号
- 印鑑
区分 | 内訳 |
---|---|
埋葬料 | 故人と生計維持関係にある人が埋葬した場合に支給されるもの。 例:同居している家族、親と別居しているものの生計は同一の子どもなど |
埋葬費 | 故人と生計維持関係にない人が埋葬した場合に支給されるもの。 例:故人の兄弟や姉妹、友人など |
葬祭費と埋葬料・埋葬費の申請は2年以内と同じですが、それぞれ開始日が異なるので注意して下さい。
区分 | 開始日 |
---|---|
葬祭費 | 葬儀が執り行われた日から2年以内 |
埋葬料 | 故人が亡くなった日の翌日から2年以内 |
埋葬費 | 故人が亡くなった日の翌日から2年以内 |
生命保険の保険金を請求|3年以内
生命保険文化センターによる、生命保険の保険金請求に必要な書類は以下のとおり。
- 死亡保険金請求書
- 被保険者の住民票
- 受取人の戸籍抄本
- 受取人の印鑑証明書
- 保険証券
- 死亡診断書(または死亡検案書)
など
生命保険会社によって必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。
生命保険金の請求は、支払事由が発生した日の翌日から起算して3年以内です。
しかし、保険金受取人が契約者の死亡を知らなかった場合や、受取人が契約の存在を知らなかったなど、3年以上が経過した段階で初めて保険の存在に気づくことも考えられます。特に近年は、保険会社から発行される「契約内容のお知らせ」をWeb通知に設定している人も多いため、故人のパソコンやスマホを見られないと気付けません。
こうした事例では、保険会社は時効を主張せずに支払いに応じるケースもあるので、3年を過ぎていても諦めずにまずは保険会社に相談をしてみましょう。
なお、かんぽ生命保険のみ、期限は5年となっています。
遺族年金の請求|5年以内
遺族年金の種類 | 該当する人 |
---|---|
遺族基礎年金 | 故人が国民年金に加入していた子どものいる配偶者または子ども |
遺族厚生年金 | 故人が厚生年金に加入していた生計維持関係にある妻、子ども、孫、55歳以上の夫、父母、祖父母 |
遺族厚生年金を納付していた場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が受け取れます。
遺族年金の支給額は年金の種類や家族構成、収入などによって変わり、子どもに該当する年齢が条件は以下のとおりです。
- 亡くなった翌月から18歳の年度末(3月31日)まで
- 20歳未満で障害等級1級・2級
国家公務員共済組合連合会による、遺族年金の請求に必要な書類は以下のとおり。
- 年金請求書
- 戸籍謄本
- 世帯全員の住民票
- 故人の住民票の除票
- 請求者の所得証明など
- 死亡診断書または死亡検案書
- 請求者の銀行の通帳やカード
- 請求者及び故人の年金手帳
電気水道・ガスの名義変更・解約|早めに
電気水道・ガスの公共料金の取り扱いについては、状況に応じて選択肢が変わります。
状況 | 選択肢 |
---|---|
故人と同居しており、引き続き同じ住居に住む | 名義変更 |
故人と別居していて、今後も故人の家には住まない | 解約 |
故人の住居について具体的に何も決まっていない | 利用停止 |
どれを選んでも手続きや手順は同じですので、次のとおりに進めていきましょう。
- 電気水道・ガスの契約先にインターネット・電話・FAXなどで申し込む
- 名義変更または解約、停止の手続きを行う
名義変更や解約に必要な書類は、各電力会社やガス会社によって変わります。
また、手続きの申し込み時に故人の未払い分があれば、手続きを行った人が支払います。
携帯電話・固定電話の名義変更・解約|早めに
- 携帯電話・固定電話の契約先に連絡をする
- 名義変更または解約を申し出る
携帯電話の名義変更や解約は、各携帯電話の店舗やWebにて行えます。
解約には手数料はかかりません。ドコモの場合は知人など家族以外の人も解約できますが、契約者が解約できない理由や故人との関係を確認されます。
また、家族以外の人に名義変更する場合は手数料が発生するので注意してください。携帯電話各社の手数料は以下のとおり。
携帯電話会社 | 名義変更の手数料の金額 |
---|---|
ドコモ | 2,200円 |
au | 2,700円 |
ソフトバンク | 3,300円 |
固定電話では名義変更の方法が3つあり(NTTの場合)、「譲渡」のみ1回線につき880円の手数料がかかります。NTT東日本の場合、故人の除籍謄本と、解約の申し込み者と故人の戸籍謄本(関係性を確認するため)が必要です。
また、速やかな手続きのために、モデムやルーターを処分してしまうのはやってはいけないことです。レンタルしている場合、返却せずに勝手に捨ててしまうと紛失料の支払いが生じるので注意してください。
クレジットカードの解約|早めに
多くのクレジットカード会社では、契約者が死亡した場合は解約(退会)と規定しています。故人のクレジットカードをそのままにしておくと、年会費などが引き落とされたり、第三者に不正使用される恐れがあるのですぐに解約するようにしましょう。
クレジットカードの解約はクレジットカード会社に電話で連絡をして申し出を行いますが、電話のみでは解約できないケースもあります。クレジットカード会社の指示に従って、必要書類を送付してください。
また、未払いの利用料金がある場合は、相続人が支払う必要があります。故人の口座から引き落とされるのを待つか、請求書を郵送してもらって支払います。
その他契約サービスの解約|早めに
故人が生前に契約していた有料サービスは、死後に解約をしない限り料金が発生して引き落とされてしまいます。
- 新聞や雑誌の定期購読(インターネット含む)
- 動画や音楽配信などのサブスクリプション
- クラウドサービス(オンラインストレージ)
- オンラインサロン
- 有料ブログ
- スポーツクラブ
- 有料通販サイト(Amazonやヤフーなど)
- ケーブルテレビ
故人が契約していたことを知らないと、口座から引き落とされる有料サービスが何なのか突き止めることが難しいだけではなく、支払いをクレジットカードにしていると引き落としを止めるまでクレジットカードの解約ができません。
免許証やパスポートの手続き|早めに
故人が所有していた運転免許証は、家族に返納義務はありません。ただし、運転免許証の有効期限が近くなると運転免許証の更新手続きの連絡が届くため、通知を停止する手続きを行いましょう。
警視庁による運転免許証更新手続きの停止に必要な書類は、以下のとおり。
- 亡くなられた方の運転免許証
- 亡くなられたことを証明する書類(死亡診断書の写し、住民票の除票などの書類)
- 申請に来られる方の本人確認書類(運転免許証など)
パスポートにおいては、旅券法第19条に基づき返納の義務があります。
外務省では、故人のパスポートと名義人が死亡した事実がわかる書類(戸籍謄本など)と一緒に、パスポートセンターや日本大使館または総領事館に届け出ることとしています。
また、故人の顔写真や旅行先の記録が残っているパスポートを手元に残しておきたい人は多いでしょう。その場合は、パスポートセンターで無効処置を行うと持って帰れます。
葬儀後にやることを窓口別に解説
葬儀後にやることをリストアップしたら、続いて、手続きを行う窓口別に分けていきましょう。
この作業を行えば、手続きのたびにあちこちに行く手間が省け、同一の窓口で複数の手続きを終えられます。
窓口別の手続きをまとめてご紹介します。
役所
- 死亡届
- 火葬許可証・埋葬許可証の発行
- 介護保険資格喪失届
- 世帯主変更
役所とは一般的に市役所、区役所、町役場、村役場のいずれかを指します。
健康保険組合もしくは社会保険事務所
- 健康保険証の資格喪失届
- 葬祭費・埋葬料・埋葬費の支給手続
ハローワーク
- 雇用保険受給資格者証の返還
ハローワークならどこでも良い訳ではありません。故人が雇用保険を受給していたハローワークに返還して下さい。
家庭裁判所
- 相続放棄の手続き
相続放棄の手続きを行う家庭裁判所は、故人が亡くなったときの住民票の場所になります。管轄の家庭裁判所については、裁判所のホームページにて確認してください。
税務署
- 相続税の手続き・納付
- 準確定申告
どちらも被相続人の死亡地(最後の住所地)を管轄する税務署に提出してください。相続人の住所を管轄する税務署に申告するのは誤りになります。
生命保険会社
- 生命保険の保険金を請求
生命保険の契約の内容などによって必要書類が違うので、必ず確認しましょう。
年金事務所
- 年金の受給権者死亡届(報告書)
- 遺族年金の請求
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、どちらも年金事務所または年金相談センターへ請求してください。
警察署
- 免許証の返納
警察署以外にも、運転免許センター(国家公安委員会)でも免許証の返納を受け付けています。また、地域によっては駐在や交番でも返納できるので、最寄りの交番に問い合わせてみましょう。
パスポートセンター
- パスポートの返納
パスポートの返納は、市町村役場の窓口で行っているところもあります。パスポートセンターが遠方の場合などは、役所に問い合わせてみましょう。
電気水道・ガス会社
- 電気水道・ガスの名義変更・解約
近年は電気やガスの自由化に伴い新たに参入した会社も多く、生前に故人が乗り換えなどを行っている可能性があります。電気やガス会社が分からない場合は、料金の引き落とし口座の引き落とし先や利用明細書の送付元などを確認してみましょう。
水道については、一般的に住所地を管轄している水道局になります。
クレジットカード会社
- クレジットカードの解約
クレジットカード会社によって手続きの方法が変わります。
また、クレジットカードを解約するタイミングによっては、解約後に利用料金の支払いが発生するケースもあるので注意しましょう。
葬儀後にやること|法要
葬儀の翌日には、菩提寺の僧侶を始めとして、故人が生前お世話になった人への挨拶回りを行うのが一般的です。故人が勤めていた勤務先へ伺い、葬儀への参列を感謝するとともに机などの身辺整理が必要なケースもあるでしょう。
各種手続きは期限が決まっているものが多いので、遺族としては故人が亡くなってからずっと忙しく感じるかもしれません。
こうした中で法要の準備も行わなくてはならないため、慌てないようにリスト化してチェックをしながら進めましょう。
初七日法要
故人が亡くなってから7日目に行う法要です。
自宅もしくは寺院にて読経と焼香を行い、その後に精進落としを行うのが一般的。お布施の準備や会食の手配、返礼品・香典返しなどを用意しておく必要があります。
近年は、遠方から参列する親族などの負担軽減などの理由で、葬儀と合わせて行う繰り上げ法要が多くなっています。
繰り上げ法要の種類 | 概要 |
---|---|
戻り初七日法要 | 火葬を済ませたあと、葬儀場に戻って行う初七日法要。火葬後のため遺族と親族のみで行うのが主流です。 |
式中初七日法要 | 告別式の後にすぐ初七日法要を行います。出棺・火葬の前に行われるため、遺族や親族以外も参列することになります。 |
四十九日法要
故人が亡くなってから49日目に行う法要です。
仏教では、四十九日に故人の魂の行き先が決まるとされ、極楽浄土へ行けることを願って行われるのが四十九日法要。「追善法要」とも呼ばれます。
また、葬儀後の忌中に身内が亡くなったらしてはいけないこととして、結婚式や出産祝いなどのお祝い事や、神社の参拝、旅行などが挙げられますが、四十九日は忌明けとなり、遺族が日常に戻るタイミングにもなります。
そのため、四十九日法要は忌中に行われる儀礼や法要の中で最も重要とされており、省略をするのはマナー違反ではないものの一般的ではありません。
四十九日法要の流れは次のとおり。
- 一同着席
- 開始の挨拶、僧侶入場
- 読経、焼香
- 読経法話、僧侶退場
- 納骨式(故人の遺骨をお墓などに埋葬する儀式)
- 施主の挨拶、会食
- 引き出物を渡し閉式
会食を行わずに、返礼品と一緒に持ち帰り用の折詰弁当などを渡すこともあります。
四十九日法要の会場は、少人数で行う場合は自宅、参列者が多ければ寺院、葬儀場、会館などで行います。
初盆
故人が亡くなり、四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆に行う法要です。
一般的には葬儀で喪主を務めた人が、初盆の代表者となって計画します。
初盆の主な流れは以下のとおり。
- 迎え火
- 法要、お墓参り
- 送り火
初盆では法要の後、会食が行われるのが多いです。また、香典返しの準備も必要です。
なお、お盆の日程は8月13日~16日が一般的ですが、地域によっては7月13日~16日のところもあるので注意してください。
年忌法要
命日に行う追善法要を年季法要といいます。
- 一周忌
- 三回忌
- 七回忌
- 十三回忌
- 十七回忌
- 二十三回忌
- 二十七回忌
- 三十三回忌
- 三十七回忌
- 四十三回忌
- 四十七回忌
- 五十回忌
- 百回忌
一般的には三十三回忌を年忌明けとし、弔い上げ(最後の年季法要)とします。
葬儀後にやることは誰に相談する?
葬儀後にやることは多いため、全てを遺族で行うには限界があります。
手続きが複雑で素人には難しいものは専門家の力を借りたいところですが、どこに相談して良いのか分からない人は多いのではないでしょうか。
葬儀社は相談を受け付けてくれる場合がある
葬儀社は家族葬と一般葬のどちらにするかなど、葬儀に関することしか相談できないと思っている方も多いですが、葬儀後の不安にも対応している場合がほとんどです。
「親が亡くなったらすること」など、不安や疑問がある場合は24時間365日、無料で相談を受け付けているので安心です。
相続関係は相談先が多い
葬儀後に必要な手続きの中でも、特に素人に難しく大変なのが相続関係です。
相続関係は行政書士や税理士、弁護士などの法律の専門家に任せる方法がある他、手続きを一括して代行してくれる業者もあるので、手続きによって相談先を変えるのが面倒などの場合は代行業者を利用してみても良いでしょう。
葬儀後にやることリストを少しずつ始める
葬儀後の手続きは、期限の迫っているものから順番に手続きを完了させ、チェックリストに印を入れると目視しやすくなります。
一覧表で確認をしながら落ち着いて対応しているつもりでも、大切な人を失った悲しみによってミスや漏れなどは起こりがちです。一人で抱え込まず、葬儀社を始め専門家や代行業者など、頼れるところは気軽に頼って負担を軽減してください。
また、葬儀後にやることリストの中でも、故人が契約していた有料サービスの把握に頭を悩ませる遺族は多いです。可能であれば生前から契約サービスの共有や、万が一のときには解約に必要なパスワードを教えてもらうなどの対策を行っておくのも大切です。